美術教育系とは?

山梨大学・美術教育系には、美術の先生になるために学ぶことを定められた「美術科教育学」「絵画」「彫刻」「デザイン」「工芸」 「美術理論・美術史」の科目が開講されていて、小学校の教員免許、中学校(美術)、高等学校(美術)の免許を取得することができます。

読むこと中心の学習とは違うやり方で、見て、触って、感じながら世界を発見していくことは、私たちが自然や動物、そして同じ人間と一緒に生きていく上で大切なことです。また、遠い過去や異国で作られた美術は、いろいろな生き方があることに気づかせてくれるでしょう。美術を勉強した人たちが世に出ていき、周りの人たちと、あるいはさまざまな困難に出会っている子どもたちと共に、よりよく生きていくことが私たちの願いです。

カリキュラムについて

芸術身体教育コースに入学すると、1年生では他のコースの皆と教養科目や語学、教職の科目を学び、1年終了時に「音楽」「美術」「体育」のなかから免許を取得したい系を、本人の希望に従って決定します。美術に興味がある人は、1年次から美術教育系の先輩たちと自主的に交流しています。

・他の学部の皆と教養科目や語学を学ぶ
・学校教育課程の皆と教職基礎科目を学ぶ(「現代教職論」「児童期心理学」など)
・学校教育課程の皆と教職専門科目(主に小学校各教科について)を学ぶ
      
「系」の決定手続きをする
・学校教育課程の基礎・専門科目に加え、「美術」の専門科目を学ぶ
・先輩の教育実習を見に行く
      
「美術科教育学」「絵画」「彫刻」「デザイン」「工芸」「美術理論・美術史」から学びたい分野のゼミを決定する
・ゼミに所属し、研究テーマを考えていく
・夏季には教育実習、その後、教員採用試験に向けた勉強が本格化
      
・夏に教員採用試験
・卒業論文の執筆「絵画」「彫刻」「デザイン」「工芸」分野の人は卒業制作展で作品を発表する

授業の紹介

美 術 科 教 育 学

美術科教育法総論Ⅰ・Ⅱ

「美術科教育法総論Ⅰ」と「美術科教育法総論Ⅱ」では、美術の先生になるための基本的な知識や技術等について学習します。「Ⅰ」では授業をする上で必要な基本的な知識を学びます。「Ⅱ」では、「Ⅰ」で学んだことを応用して、実際の授業をシミュレーションし、授業の進め方や授業に適した材料や用具などについて皆で検討します。

初等図画工作科教育学

小学校の教員免許を取得するために履修する科目です。図画工作科の歴史や教育内容の移り変わり、具体的な指導方法、中心的な内容となっている造形遊び、子ども理解の考え方、評価方法などについて学びます。

絵 画

絵画表現

美術教育系の専門科目にある「ドローイング基礎」の延長線上に位置づけられた科目です。油絵具、水彩絵具、アクリル絵具等の描画材料をはじめ、あらゆる技法を個々の表現テーマに沿って選択し、絵画の可能性を探る実技系の授業です。

版表現

総合版による作品制作を通して版画の技術を習得します。さまざまな素材を使用して版をつくることにより、版表現の可能性を模索し、版表現を学校教育の中でどのように活用していくかということも考えていく授業です。

彫 刻

彫塑

彫刻の分野では木や石、土や金属など様々な素材の彫刻実技をとおして立体造形の基礎を学び、三次元に生きる私たちの生活がより魅力的なものとなるように、表現が社会の関わりに繋がって行くことを目指しています。単に技術を身につけるのではなく、道具や素材の扱いを覚え、作品や人との関わりの中での発見を大切にする授業です。

デ ザ イ ン

視覚伝達デザイン

人間は外からの情報の70%以上を眼(視覚情報)から得ているといわれます。 その“視覚”の基本的知識と理論を、「錯視」と「遊び心」の2つのキーワードから概説しヴィジュアル・コミュニケーション・デザインの基礎とします。具体的には、「歪み絵・不可能図形」「質感の変容、だましの質感」などのトピックスをスライドなどの視覚教材を中心に進めていきます。

工 芸

陶芸基礎演習

授業では土や釉薬などの様々な素材、作陶技法の基礎を体験を通して学びます。本学の3種の窯を使い分け、協力して作品を焼成します。粘土は土地によって特徴が異なります。また、季節によって作業中の乾燥進度も異なり、日々、土と対話しながら取り組まなくてはなりません。最終的には生活で使える器を作り、実際に茶会や食事会をしてその使い心地をフィードバックしていきます。

美 術 理 論 ・美 術 史

美術史Ⅱ

ゴヤからピカソまで近代の美術について、スライドを見て一人一人の感じ方がどう違い、どこが同じかを探ります。そして歴史を学び、絵について人に伝えられるようになるのが目標です。